革小物のエイジング(経年変化)のサンプルです。
最近製作した、未使用のLパース(左)と、
2年ほど前に製作してからずっと使っている、
私物のiPhoneポーチ(右)を並べました。
革は「トスカーナ」という名前のイタリアンレザーです。
2つとも同じトスカーナの茶色でつくったものです。
オイルをたくさん含んだ植物タンニンなめしの牛革です。
繊維がみっちりとしまったショルダー部分の革で、
しなやかさと弾力があり、
もっちりとした独特の風合いです。
赤みがかった明るめの茶色だった色は、
深みのあるチョコレートのようなこげ茶色に変わっていき、
くっきりと入っていたシボも、だんだんと滑らかになっていきました。
触り心地も、弾力があってムチムチっとしていたものが、
なめらかでしっとりスベスベ、といったような印象の感触に変わりました。
この革は比較的オイルがぬけにくいのが特徴なようで、
しばらくは特に手入れなどをしなくても、つやつやなままでした。
使い始めてから1年半ほど経った頃に
だんだんとつやがなくなってきて表面もカサついてきたので、
乳液状のケアクリームでオイル分と栄養をプラスしたところ
光沢感が復活し、表面の風合いもすべすべしてきました。
ファスナーも同じ色(ゴールドメッキ)です。
2年使用したものは、メッキの色がくすんできています。
タッセルもそれぞれ同じ種類の革で製作したものです。
本体と同じように色みと質感がすっかり変わりました。
この経年変化のサンプルは、あくまでも一例です。
使い方や、使用頻度・環境・気候・お手入れ方法など、
様々な条件によって、変化の仕方がかわってきます。